葛藤
元太を失ってからしばらくは山ほどある元太の画像を見ることができず、あれほど描いていた元太のイラストも描けずにいたワタシの心は、元太のことを考えるだけでまだまだ苦しくてなりませんでした。
その反面、心のどこかで次の子を迎えたいと言う思いもありました。
この思いは元太が亡くなる前からなんとなく思っていたことでもありました。
きっと元太がいなくなると自分がダメになってしまうだろうと薄々感じていたからだと思います。
相方はまた同じ思いをするのは嫌だからと次の子を迎えることに躊躇していました。
正直ワタシもとても悩んでいました。
もし次の子を迎えるとしても年齢的にこれが最後になるだろうし、相方と同じようにまた悲しい思いをするのも嫌だと言う思いもありました。
それに加えて元太と同じように愛せるだろうか・・・と言う漠然とした思いもありました。
夫婦2人で懸命に子育てし最後まで全身全霊で愛した元太。
ワタシ達にとって何よりも大切な宝物だった元太。
元太の代わりはいないこともわかっていました。
ただ心の寂しさを埋めるためだけにお迎えするのならやめた方がいいんじゃないだろうか・・・。
悩みながらも日に日に次の子を迎えたいと言う思いは大きくなっていきました。
そしてある日、そんなワタシの気持ちを察してか、相方が「新しい子を迎えてもいいよ」と言ってくれました。
一体どれぐらい笑っていなかったのか、その時久しぶりにワタシの顔が笑顔になったのを覚えています。
ただし元太の四十九日が終わるまでお迎えしないこと、次の子も柴犬の男の子であることが相方からの条件でした。
こうして日々葛藤していたワタシの心の中からすーっと苦しい思いが消えていくのと同時に
元太、ごめんね。
元太、母ちゃんを許してね。
と、ワタシは元太に申し訳ない気持ちでいっぱいになっていました。
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